5年以上雇わない?改定労働契約法を逆手に取った悪用
この求人を見て欲しい。
「直営教室で、契約社員から始めませんか」との公文の求人だ。
そんな呼びかけで始まるから、当初は契約社員だけれども…と思うかもしれない。
しかし、内容をよく見てもらいたい。注目すべき部分は、赤く囲っておいた。
契約期間は、教室運営開始月から24ヶ月間。手っ取り早く言えば2年間契約ですということだ。
そして、「※契約期間終了後、双方合意の上、1回に限り、契約更新可能」とある。これは、2年間が終わったら(実際上は2年が過ぎる前に)、契約更新の合意が成立したら、もう2年間は働くことができるけれども、その場合は「次の更新はありません」という意味だ。つまり、最長でも4年間しか働けない契約社員という意味だ。
近頃、この手の更新上限を定める会社が出てきた。
改定された労働契約法のためである。
新18条は、反復更新された有期労働契約が通算5年を超えたとき、労働者の申し込みによって、無期労働契約に転換することが定められている。このことは、有期労働契約であっても実態として繰り返し更新が行われていることが一般化しているので、有期労働契約で働く人たちを保護する目的で作られたものだ。
しかし、その趣旨に反する会社が多い。
無期転換したところで、その他の労働条件は何も変わらないのだから、人件費が増えるわけでもなんでもないというのにだ。
そして、今回例示したように5年を超える反復更新とならないように、予防線が張られてる求人が増加している。
やはり、有期労働契約は、期間の定めそのものに合理性がある場合に制限すべきだ。そうしなければ、現在、有期労働契約で働く労働者は、ここ数年間で全員漂流することになってしまうだろうし、これから社会に出てくる学生は、最初から漂流民になることが確定してしまうことになる。