農地大規模化で搾り取られるのは農家であり地方であり
いよいよ政府が本気で日本の農地から小規模農民を追い出しにかかってきた。 戦後の農地解放で、小作人の手に渡った農地を再び大地主に取り返すつもりになったらしい。
政府は23日、産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)を開き、農業強化策や人材力強化などを議論した。農業では、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加に向け、農地の大規模化や輸出拡大が柱。6月に策定する成長戦略に盛り込む。
大規模化でコスト削減と言うが、大規模化にはそれなりの投資を必要とする。
広々とした田んぼを見たことがない人は、どんな作業かわからないのかもしれない。
田んぼを機械化するときに必要だったことは、1枚あたりで広い田んぼにすること。
広い田んぼにすれば、その土地を真っ平らにしなければならない。
でないと、水の入らないところが出るから。
畦もきっちりと塗らなければならない。
モグラの穴一つで水が抜けることになるから。
田んぼは、ただ広い畑とは訳が違う。
さて、そうまでして大規模農家だけにしたいのはなぜだろう。
結局は、「囲い込み運動」なのではないかと勘ぐってしまう。
農民を農地から追い出すことで、労働者を増やす。
労働者を増やすことで、賃下げ圧力になる。
大規模農家となった農業主も機械化や化学肥料の投入、農薬散布などで結局のところ搾り取られる。
農民から労働者へと追い出された人も搾り取られる。
こうして、トータルとして地方はどんどん搾り取られることになる。
搾り取られたものはどこへいくのだろう。
JAにはそろそろ気がついてもらいたいのだが。